平成29年3月28日付で、政府の働き方改革実現会議により「働き方改革実行計画」が策定されました。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/pdf/gaiyou_h290328.pdf
計画では、時間外・休日労働の上限規制が盛り込まれ、今後、法案が整備されていくものと思われます。
それで、本記事では、上限規制の時間数はどうなるのかについて整理してみたいと思います。
本記事の内容は現時点での政府計画に基づき作成しており、今後立法過程で変更となる場合があります。
◆押さえておくべき“上限時間”は何時間?
①時間外労働の限度は、1ヶ月45時間かつ1年360時間(これまでと変わらず)
②特別条項を締結する場合でも、時間外労働の限度は1年720時間となる
※以下、特別条項を締結している場合
(1)2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月のいずれの平均においても
時間外労働+休日労働の合計時間は80時間以内とすること
(2)単月では、時間外労働+休日労働の合計時間は100時間未満とすること
以上が時間数の規制内容となります。
したがって、今後、特別条項を定める場合の上限は1ヶ月99時間、1年720時間になると思われます。
また、時間外労働と休日労働の年間上限は960時間となります(80時間×12ヶ月)
◆限度基準告示の適用除外は残る?
これまで、自動車運転業務、建設事業、新技術・新商品等の研究開発の業務等は
1ヶ月45時間、1年360時間という限度基準告示の適用除外となっていました。
これらの適用除外の対象業務については、急激な変化による弊害を避けるため、
条件付きで一定期間、適用除外の措置が継続することになります。
なお、新技術・新商品等の研究開発業務については、
医師による面接指導、代替休暇の付与など実効性のある健康確保措置を義務化することを条件に、
対象を明確化したうえで適用除外を認めることされています。
したがって、これまでシステムの研究開発等の高度な業務を行う方々について
適用除外としている措置は継続しますが、これまである程度労使に委ねられていた
対象業務の定義が、労働行政によって明確にされると思われます。