「就業規則」について考えてみる

法律の難しい話はさておきまして…、
いままで、就業規則をつくったり見直したりしてきた中で、
気になった点をいくつかお話したいと思います。


●本文だけでなく目次をしっかりと…

本文は素晴らしい内容でも、
目次のない就業規則がたまにあったりします。

「せっかく、章や節といった階層で構成しているのに…」
「目次があれば、全体像が把握できるのに…」などと思ってしまうのです。

経験上、目次のない就業規則の場合、
つくった当人が内容を把握していないケースが結構多いように感じます。

いわば、「道案内のない条文の森」と対峙しているようなもので、
私でさえ読む気が失せてしまいますし…。

いまでは、マイクロソフトのワードとかの機能を使えば、
簡単に、目次の作成や自動更新もできますので、
作成しておくことを是非お勧めします。

そうすれば、
「木を見て森を知らず」といったことにはならないかと思います。

推理小説や歴史小説を手にとってみても、
章で場面構成しているものは、必ず目次がありますからね。


●現状で運用できるものを…

従業員数が少ないのにもかかわらず、
最初から、大企業向けっぽい就業規則をつくりたがるお客様もいらっしゃいます。

よくある話ですが、
「けっこうな人事制度をコンサルタント会社につくってもらったんだけど、
実際はうまく運用できなかった…」なんていうケースがあります。

オートマの軽自動車で十分なのに、
いきなり、フェラーリやベンツを乗ろうとするのと一緒なわけで。

まずは、身の丈にあった就業規則をつくるのが、
運用面から考えてベターかと思います。

さまざまなリスクを想定して、
それらに対応し得る内容をすべて網羅しておくということも
法律論からすれば、とても大事なことですが、
つくった当事者が使えなければ意味がありません。

小規模の会社であれば、
「採用内々定」の項目や、
あまりに手厚い「休職規定」なんかは、まず、必要はないでしょうし。

ある程度の予測(従業員の入れ替えが多そう→採用や退職条文を充実…)や
業種の特性(製造業なのか、飲食業なのか…)は必要ですが、
当初はシンプルなものにしておいて、
会社の規模に応じて、ビルドアップしていくというのが理想的と言えますね。

 山本