実務Q&A
労務管理
社員を請負へ転換させようとする際の注意点
社員であるデザイナーを、雇用から請負へ転換させることで、仕事の出来に見合った報酬を支払うことを考えています。この際の注意点は何ですか?
以下の点に注意する必要があります。
①社員との雇用契約を解除し、請負契約を結ぶためには、請負契約の趣旨、請負となることのメリット・デメリットを説明し、本人の同意を得る
②請負契約を結ぶ際には、トラブルを避けるために詳細な点まで定める
③法的に正しい請負として認められるための要件を満たす
①について:成果に応じた報酬を払うことで成果に応じて報われること、自分で自由に時間を管理することができることなどを説明すると共に、今までのように労働者としての保護を受けることができないこと、将来会社の仕事量が減少した場合仕事の発注がなくなる可能性もあること、あくまでも「仕事の完成」が目的であるため目的の達成なくして報酬は支払われないことなどがあります。この説明については書面で行うことが良いでしょう。
②について:労働者の同意を得た上で、請負契約書の作成に入ります。この請負契約書の作成に当たっては、契約の中止・解除事項やその場合の損害負担、仕事の完成が遅延した場合の対応、契約に関する紛争の解決方法等不測の事態まで細かく定める必要があります。
③について:(請負として適正であるための要件は省略します。)なお、請負契約を結んだにもかかわらず実態は労働者であった場合は大きな問題(裁判紛争等)が生じることもあるので、適正な請負となるよう細心の注意を払う必要があるでしょう。
(平成16年09月「企業実務」より)
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