健康保険組合への編入
健康保険組合への編入のメリットは大きく分けて次の2点です
1. 保険料が安い
協会けんぽ(東京支部) | 健康保険料率 | 1,000分の99.7 |
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介護保険料率 | 1,000分の15.5 | |
A健康保険組合 | 健康保険料率 | 1,000分の85.0 |
介護保険料率 | 1,000分の10.0 |
仮に、健康保険の加入者が10名(平均月収40万円)の会社が健康保険組合へ編入した場合、コスト削減は以下のとおりとなります。
会社負担分 | 健康保険料が年間496,920円減ります |
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社員負担分 | 健康保険料が年間496,920円減ります |
2. 保険給付、保養所等が充実している
健康保険組合によっては、法律で定められた各種保険給付以外に、独自の「付加給付」を設けている組合も多くあります。たとえば、出産育児一時金の法定給付は42万円ですが、付加給付として別途10万円を加算する健康保険組合もあります。
また、保養所やテーマパークの入場料割引などの福利厚生も充実しています。
健康保険組合への編入の流れは以下のとおりです。
フェーズI
健康保険組合の探索
会社は、好きな健康保険組合を選ぶことができるとい訳ではありません。健康保険組合は、一般的には業種、地域ごとに組織されています。IT業の会社が不動産業の健康保険組合に編入することは業種が異なるのでできません。
したがって、会社として健康保険組合への編入を希望する場合は、まず自社の業種に合致した健康保険組合を探すことから始める必要があるでしょう。
フェーズII
健康保険組合への相談
編入を申請したい健康保険組合が見つかった場合は、次に健康保険組合の編入担当者に詳細を確認しに行きます。この際に、編入要件等の説明があります。
編入要件の確認
健康保険組合は、保険料や福利厚生の点で充実しているために、編入するためには一定の要件をクリアする必要があります。主な要件としては、被保険者数、扶養率、平均給与月額、平均年齢、企業の財務状況、事業概要等の要件があります。この要件は健康保険組合ごとに異なります。
フェーズIII
編入手続書類の作成
再度、資格取得届、扶養届を作成したり、必要な申立書を作成します。健康保険組合独自の書式について記載方法に不明な点がある場合は確認しておきましょう。
編入審査→承認
健康保険組合への編入は、組合の理事会の承認を受け、さらに厚生局の承認も受けなければなりません。当然、承認されない場合もあります。また、相当程度の時間も要することに留意が必要です。