商業登記簿

商業登記簿とは

法務局には、個々の会社の基本的な情報が登録されています。これを、商業登記簿といいます。商業登録簿にない会社は、会社ではありません。この商業登記簿は誰でも閲覧、取得でき、取引先の信用調査で使用します。
登記所は法務局にあります。また有料ですが、インターネット登記情報提供サービスを利用して、閲覧することもできます。

商業登記簿の履歴事項証明書には、次の項目が記載されています。

  • 商号:新規取引先に商号の変更がある場合、隠された過去がないか、インターネットなどで検索してみるとよいでしょう。
  • 本店所在地:商号と同じく、新規取引先の本店所在地に変更がある場合、商号と住所で検索してみる必要があります。
  • 会社設立の年月日:社歴が長い会社は信用度が高くなります。ただし休眠会社を買い取るケースもあるため、新規取引先の商号、本店所在地、役員の変更などに腑に落ちない点はないか確認しなければなりません。
  • 資本金の額:会社の財産面での規模が、ある推測できます。
  • 役員:役員が頻繁に変更している新規取引先には、注意してください。

法務局のホームページ

登記事項証明書の交付請求書は、法務省のホームページからダウンロードできます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-2.html

法務省のホームページ

登記事項証明書及び登記簿の謄本・抄本について、所定の手数料などが掲載されています。
会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji11.html

商業登記簿を取得する

商業登記簿は、全国の法務局で申請できます。管轄の法務局である必要はありません。商業登記簿の内容を記載した登記事項証明書には複数種類があります。用途によって証明書を選んでください。

  • 現在事項証明書:現在も効力を有する登記事項を中心として記載した証明書。商号や本店所在地は、直前の事項についても記載されています。
  • 履歴事項証明書:「現在事項証明書」の登記事項に、証明書の交付請求日以前3年間に抹消された登記事項についても記載されています。
  • 閉鎖事項証明書:ほかの法務局の管轄に移転したことにより登記簿が閉鎖されている場合や、「履歴事項証明書」に記載されている以前の事項について知りたいときに取得します。

登記内容を変更する

次のような事情で、登記事項に変更が生じた場合は登記を速やかに変更する必要があります。

  • 本店を移転した場合
  • 事業内容を変更した場合
  • 資本金を増加した場合
  • 役員の就任や重任

登記変更申請が遅れると、過料に処せられることもありますので気をつけましょう。
基本的な手続きの流れは、次のとおりです。

  1. 株主総会の開催
  2. 登記所に変更登記申込書と添付書類を提出
  3. 変更後の登記簿謄本の取得
  4. 変更内容を税務署などへ提出

変更登記は複雑なものもありますので、専門家への依頼も検討しましょう。

本店を移転した場合

登記内容の変更の中でもっとも多いのが、本店の移転です。
定款は、会社の組織や活動を定めた基本規則です。設立時に発起人が作成します。定款には、本店所在地として番地まで記載している場合と、市区町村まで記載している場合があります。番地まで記載している場合には、本店移転により必ず定款を変更することになります。またこのとき、株主総会の特別決議が必要となります。
市区町村までの記載の場合、同じ市区町村での移転であれば、定款は変更しないですみます。
同一登記所管轄内での移転の場合、登記申込書と添付書類は1通で済みます。しかしほかの登記所管轄内に移転する場合は、登記申込書と添付書類を、旧登記所用と新登記所用に2通作成する必要があります。この2通は、新旧別々ではなく、旧登記所にまとめて提出します。